「全固体電池とBYDの電池どっちが優れているのか」
全固体電池とBYDの電池は、どちらも次世代の電気自動車(EV)や蓄電池市場で注目されているバッテリー技術です。全固体電池は高い安全性やエネルギー密度、長寿命などの特長から「理想の電池」とも呼ばれていますが、量産化やコスト面でまだ課題が残っています[1][4][5]。一方、BYDは独自のリン酸鉄リチウムイオン(LFP)ブレードバッテリーを実用化し、耐久性や安全性、経済性で高い評価を得ています[2]。また、BYD自身も全固体電池の開発を進めており、今後の技術進化が期待されています[3]。
以下では、全固体電池とBYDの電池をさまざまな観点から比較し、それぞれの優位性や課題について詳しく解説します。
目次
1. 全固体電池とは
2. BYDの電池(ブレードバッテリー)とは
3. 安全性の比較
4. エネルギー密度・航続距離の比較
5. 耐久性・寿命の比較
6. 経済性・コストの比較
7. 実用化・量産状況の比較
8. 今後の展望
9. まとめ
1. 全固体電池とは
全固体電池は、従来のリチウムイオン電池で使われている液体電解質を固体電解質に置き換えた次世代電池です。これにより、発火や漏液などのリスクが大幅に低減し、高い安全性を実現します。また、エネルギー密度の向上や急速充電、長寿命化など、多くのメリットが期待されています。一方で、量産技術やコスト面、耐久性などの課題も残っており、実用化に向けて各社が開発を進めている段階です。
2. BYDの電池(ブレードバッテリー)とは
BYDのブレードバッテリーは、リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池を独自の薄型ブレード状セル構造でパッケージ化したものです。このバッテリーは、熱安定性が非常に高く、発火や爆発のリスクが低いことが特徴です。また、従来の三元系(NMC)バッテリーに比べて耐久性や経済性にも優れ、EVユーザーにとって現実的で安全な選択肢となっています[1][2][6]。
3. 安全性の比較
全固体電池は、液体電解質を使用しないため発火や熱暴走のリスクが極めて低く、安全性の面で「理想的な電池」とされています。BYDのブレードバッテリーも、LFPの高い熱安定性と独自構造により、業界で最も厳しい「釘刺し試験」をクリアするなど非常に高い安全性を実現しています[1][6]。現時点では、どちらも従来型バッテリーより安全性が高いですが、全固体電池は理論上さらに高い安全性が期待されています。
4. エネルギー密度・航続距離の比較
全固体電池は、将来的にリチウムイオン電池を大きく上回るエネルギー密度が期待されており、同じ重量・体積でより長い航続距離を実現できる可能性があります。BYDのブレードバッテリーは、LFPの特性からエネルギー密度は三元系(NMC)よりやや劣りますが、薄型構造により車両への搭載効率を高め、実用的な航続距離を確保しています[6][8]。
5. 耐久性・寿命の比較
BYDのブレードバッテリーは、長期使用時の性能維持率が高く、10年後も90.1%の容量を維持するなど、非常に高い耐久性を誇ります[1]。全固体電池も理論上は長寿命化が期待されていますが、現時点での実用データは限られており、今後の開発成果が注目されています。
6. 経済性・コストの比較
BYDのブレードバッテリーは、LFPを採用することでコバルトなど高価な材料を使わず、コストパフォーマンスに優れています[1]。全固体電池は現状では生産コストが高く、量産体制の確立とコストダウンが今後の課題です。
7. 実用化・量産状況の比較
BYDのブレードバッテリーはすでに量産・実用化され、世界中のEVに搭載されています[1][6]。一方、全固体電池はトヨタなどが2027~2028年の実用化を目指して開発中で、現時点では市販車への本格搭載はまだ先です。
8. 今後の展望
全固体電池は、今後の技術進化によって量産化やコストダウンが進めば、EV市場のゲームチェンジャーとなる可能性があります。BYDも全固体電池の開発を進めており、今後はLFPブレードバッテリーとの併用や技術融合が進むことが予想されます。
9. まとめ
全固体電池は理論上、エネルギー密度・安全性・寿命のすべてで優れた特性を持ちますが、現時点では量産・実用化に課題が残っています。BYDのブレードバッテリーは、すでに高い安全性・耐久性・経済性を実現し、実用化が進んでいる点が強みです。今後の技術進化と市場動向によって、両者の優位性がさらに明確になっていくでしょう。
Citations:
[1] https://byd.co.jp/byd-auto/blade-battery/
[2] https://byd.co.jp/e-life/manufacturer_stories01/
[3] https://www.byd-japan.com/nagoya/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC
[4] https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02462/070500017/
[5] https://note.com/byd_nagoya_kita/n/n6e856dd09b3a
[6] https://www.byd-japan.com/post/byd-dolphin-battery
[7] https://byd.co.jp/e-life/tech/
[8] https://36kr.jp/65155/
あとがき
トヨタが全固体電池を搭載したバッテリーEV(BEV)を発売する時期は、2027~2028年が目標とされています。これはトヨタ自身が公式に発表している計画であり、現在、全固体電池の開発・生産体制の構築と量産技術の確立に取り組んでいます[4][5][7]。
2026年には次世代BEV向けの新型電池(パフォーマンス版)を搭載したモデルが登場予定ですが、全固体電池搭載BEVについては2027年以降の実用化・商品化が目指されています[1][5][7]。したがって、トヨタから全固体電池を搭載したBEVが一般に発売されるのは、現時点の計画では2027~2028年になる見込みです[4][5][7]。
Citations:
[1] https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/41058141.html
[2] https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/05/f02ee780ab092334.html
[3] https://www.autocar.jp/post/1098337
[4] https://stockmark.co.jp/coevo/all-solid-state-battery-pickup
[5] https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1508388.html
[6] https://www.fintact.io/journal/journal-article-all-solid-state-battery-update
[7] https://evcafe.jp/article-20240701-toyota-china/
[8] https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/10024/
しかしながらBYDの軽自動車が出たら、私は間違いなく買うだろう。